こだわり1
自然の恩恵を受け
島のいきものと共に育ったお米
水が豊富な西表島では昔から稲作が盛んです。農園の裏山にはアラバマの滝という立派な滝があり、そこから流れた綺麗な水と、太陽の光をたっぷり浴びて大浜農園のお米は力強くたくましく成長します。
無農薬の田んぼには、虫やカエルなどのいきものがたくさん集まり、年間通して野鳥が遊びにやってきます。国の天然記念物に指定されているイリオモテヤマネコのフンや足跡もよく見られます。
島の恩恵を受け、島が育ててくれたお米。それが、大浜農園のお米の美味しさの秘密なのです。
<田んぼのいきものたち>
イリオモテヤマネコ、カンムリワシ、リュウキュウイノシシ、シロハラクイナ、シギ、アマサギ、サギ、ヤエヤマセマルハコガメetc
イリオモテヤマネコにはニワトリを、リュウキュウイノシシには稲を食べられ困っていますがどちらも大浜農園のおいしいお米を作る環境には欠かせない存在です。
こだわり2 農薬に頼らない栽培
大浜農園の栽培方法には3つの秘訣があります。
1つ目は【籾殻燻炭】
大浜農園では自社で籾摺りをして、出た籾殻を焼いて炭化させ、籾殻燻炭(もみがらくんたん)を作っています。籾殻燻炭にはケイ酸というガラスの成分が多く含まれています。その籾殻燻炭を田んぼに漉(す)き込む事で稲がケイ酸を吸収出来るようになり、細胞がコーティングされ虫や病気から物理的に強くなります。これにより稲の重大な病気であるいもち病を防ぐ事が出来ています。また、細胞がコーティングされる事で、葉っぱが垂れずにしっかりと伸び、光合成が効率よくできるようにもなります。
2つ目は【虫は無視】
お米に黒い点があるのを見かけたことのある方はいるでしょうか。その点はカメムシの被害を受けているからついているのです。味にはほとんど影響ありませんが、見た目が白い方が美味しく見える方がほとんどだと思います。しかし大浜農園では殺虫剤を使っていない為、カメムシの被害を受けたお米が多くあります。そのお米を高性能の色彩選別機で取り除く事により、見た目の品質を保っています。なので、カメムシが来ようとも無視して栽培を続けています。取り除いたお米はニワトリのエサになり、おいしい卵へと生まれ変わります。
3つめは【ジャンボタニシ】
スクミリンゴガイ(通称ジャンボタニシ)は外来種の巻貝です。用水路や稲にピンク色の卵を産みつけ、稲を食べて大繁殖をする農家にとっては厄介ないきものです。田んぼの稲をどんどん食べていき、稲が全滅する事もあります。大浜農園の田んぼにもどこからやって来たのか、ジャンボタニシがいっぱいいます。しかしジャンボタニシを殺す薬剤は高価なうえ扱い方を間違うと川のいきものにも影響が出る危険なものです。
当農園ではジャンボタニシの特徴を逆手にとり、田んぼの除草に役立てています。ジャンボタニシは水深が浅いと活動が鈍る特徴があるので、水位を管理することによりジャンボタニシをコントロールします。ジャンボタニシ除草を行った田んぼは草が無くなるため、除草剤もジャンボタニシを駆除する農薬も必要なくなります。
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こだわり3 承継500年の伝統
大浜農園がある祖納地区には農作物の豊作に感謝を捧げ、翌年の五穀豊穣と住民の健康・集落の繁栄を祈願する「節祭(しち)」があります。その歴史は500年以上あり、1991年には国の重要無形文化財に指定されました。祖納地区には節祭以外にも豊年祭や御嶽での願いや祈りなどの重要な祭祀がありますが、どれも稲作に係るものばかりです。祖納地区を語るのに稲作は欠かせません。しかし農家数は減ってきており高齢化も進んでいます。大浜農園ではやりがいや想いだけでなく、生活もしっかりしていけるような産業にしたいという想いで、お米の自家販売や農薬に頼らない栽培に取り組んできました。稲作が今後も親から子、孫へと繋がり、伝統文化がいつまでも息づいて行くことを願っています。